昨日の今日でナニではありますが、M1 Mac miniの起動SSDに別パーティション(Beta)を作って、macOS 14をインストールしました。
パーティション作成→BetaパーティションへのmacOS 13のインストール→BetaのmacOS 13で起動→macOS 14にアップデート
という手順を経る必要がありました。
電子書籍「AppleScript最新リファレンス v2.8対応」を出すにしても、いろいろと確認すべき事項があったため(macOS 14の処理系がバージョン2.9だったらシャレになりません)、細部の確認が行えていないと怖い部分がいろいろありました。
確認したこと
macOS 14のAppleScript処理系のバージョンは2.8のままで変更はありません(予想どおり)
「システム設定」(System Settings)のAppleScriptによるコントロール機能が回復。各PaneのIDを取得してrevealコマンドで表示できるようになった。ただし、すべてのPaneについてIDが割り振られているかは未確認。どうせAppleのことなので、IDが割り振られていないPaneであるとか、指定しても表示されないPaneの存在が予想される(1つありました→表示まで時間がかかるPaneだったもよう。すべてチェックして、表示できないIDのPaneはありませんでした)
全体的に実行速度が若干macOS 13よりも向上しているように見えますが、クリーンインストールしたためなのか、Rosetta 2をインストールしていない環境であるためなのかは不明
日本語環境でText To Speechのキャラクター「O-Ren」「Hattori」が追加されているものの、sayコマンドで指定できるようにはなっていない(音声キャラクタの使用ライセンスの問題なので、バグではない。ただし説明がまったくない点はあいかわらず不親切)
aliasからPOSIX pathに変換すると結果がおかしくなるといった「macOS初期β版によくある」不具合は見られなかった
macOS 12のβ版でかなり長い間修正されなかった(Release版では直った)「スクリプトメニューが表示されない」不具合は見られなかった(直前に発生した不具合を何回も繰り返すAppleあるある)
スクリプトエディタのコンテクストメニュー・スクリプトに、絵文字つきのファイル/フォルダのコンテンツを入れると、コンテクストメニューに「項目が重複して表示される」不具合が修正された(macOS 13βでも一時期直っていた時期もあったので再発する可能性あり。まったく油断できない)
要素数の多い配列(list)の生成、ランダムシャッフル、ソートなどCocoaの機能を用いた高速処理の速度については速度低下は見られず
700箇所の位置情報と8,000箇所の位置情報(鉄道駅、バス停留所)の距離計算を行うベンチマークで、macOS 13だと1分45秒程度だったものが、macOS 14では1分35秒程度。遅くなっているわけではなさそう
指定配列要素の順列組み合わせ計算(Permutation)の計算結果も若干速くなっている。誤差程度だが、遅くなるという傾向は見られなかった
「Mail.appでAppleScriptからメール生成+送信を行うと、メール1通あたりに生成されたプロセス2個がメモリ上から消去されず、メール作成すればするほどプロセスがたまってメモリが喰いつくされ、動作速度が壊滅的に遅くなる」不具合は未検証(Mail.app自体のバージョンアップは行われていない)。
macOS 12/13と初期Release版でNSDataDetectorによるデータ認識が日本語環境だけ問題を起こしていたバグについても検証が必要(何回も不具合を出している要チェックポイント。Apple自身がリリース前にチェックすべき)
→ ひととおりテキストからの情報抽出を行わせてみたところ、問題なく動いているようです。ただし、ここ数バージョンのmacOSは、リリース版で大幅に劣化する(未知のバグがたくさん発生)ので油断はできません
連絡先(Contacts)のAppleScript用語辞書のうち、プラグイン(廃止済み)のSuites「Address Book Rollover Suite」がhiddenになった(そのままでは表示されない。とくに問題はない)
ミュージックのAppleScript用語辞書のうち、playlistの「loved」属性が「favorited」に変更された。AppleEventコードなどはそのままで予約語が変更
Safari v17のAppleScript用語辞書で、隠し命令「show credit card settings」が追加された。なお、macOS 13.x上に提供されているSafari 17betaでも同様の変更が確認されている
Shortcuts Events添付のsdefがいろいろmacOS 14で書き換えられている(バージョン番号は変わらず)。これを見るのはなかなか面白い。
スクリプトエディタ上でテンプレートから作成できる「Cocoa-AppleScript Applet」が動作しない(macOS 13から発生している現象)