Spacesは、macOS標準搭載の仮想デスクトップ機能であり、最大16個の仮想デスクトップを作れるようになっているほか、F3キーを押すと縮小表示を行うようになっているなど、ハード/ソフトともによく統合された機能です。
ただし、AppleScriptユーザー側からすると
「他の仮想デスクトップにアプリのウィンドウを置くとAppleScriptからアクセスできないカス機能」
「開発チームが他の機能のことを考慮していないクズ機能」
といった感想になります。
このため、さまざまな書籍で「AppleScriptとの互換性のない機能」のひとつとしてリストアップされ、AppleScript系の開発/運用現場では「安全のためにSpacesを使わないように」と注意するのが真っ先に行う恒例行事になっていました。
内蔵HDD/SSDの暗号化機能なみに、登場時にAppleScriptとの互換性検証が不十分なものについては「信用できない」として、以来、安全のために暗号化機能は極力使わないようにしてきました。
# HDDの暗号化機能が登場したときに、暗号化したHDDにAppleScriptからアクセスできないというバカみたいな不具合が発生。その後も、有効にするとeGPUが使えなくなるなど、この機能を作っている担当者だかチームのことが信じられません。
そして話はSpacesに戻ります。執筆中の電子書籍「Pages+AppleScriptで本をつくろう!」の注意点でSpacesについて言及し、確認のために「やっぱり今でも動かないのか?」と、試してみたら……他の仮想デスクトップ上に配置したPagesの書類の情報を取得できます。
「…………。」
何度試してみても、他の仮想デスクトップに配置したPages書類の情報を取得できます。
macOS 13.7.1と、macOS 10.13.7で試してみたところ、両方で動作しました。
このぐらいの範囲のmacOSで動くのであれば、さまざまな本でSpacesに関する「危険なので使用を推奨しない」という評価は取り下げる必要があることでしょう。
ただ、Pagesについては表示中のページから+6ページぐらいを超えるとオブジェクトのposition属性を取得できないといった不具合があり、これはmacOS 15で再テストしても発生が確認されています。