macOS 13.6以降、スクリプトエディタに備わっているテンプレート「Cocoa-AppleScript Applet」から作成したアプレットが動作しなくなっていました。macOS 15.2Betaでもこの状況は変わりません。
▲スクリプトエディタ>ファイル>テンプレートから新規作成>Cocoa-AppleScript Applet.app を選択
▲Cocoa-AppleScript Appletのテンプレートで新規作成したところ
▲Cocoa-AppleScript Appletを作成して実行すると、このような警告ダイアログが表示される
通常のアプレットやScript Debuggerで作成したEnhanced Appletなどもあるため、致命傷ではないのですが……Scripter側でCocoaの利用経験がたまってきたために、「アプリケーション」という実行環境のさまざまなイベントを利用したいという声が出てきて、ようやくCocoa-AppleScript Appletが再評価されつつあった矢先の出来事でした。
# Cocoa-AppleScript Appletを使っているScripterなんて、edama2氏しか知りません
Appleにもバグレポートしているのですが、一向に直りません。そんな中、MacScripter.netにてred_menace氏が報告したところによると、「Rosettaをオンにして動かすと、動く」とのこと。なんの冗談だろうと疑いながら……
ためしに、Cocoa-AppleScript AppletをRosettaをオンにしてx64コードで動かすと、本当に動きました。これは驚きです。
ARM64Eバイナリが存在していないのかチェックしてみたら、
me@m1mini ~ % file /Users/me/Desktop/名称未設定Cocoa-AppleScript\ Applet.app/Contents/MacOS/CocoaApplet
/Users/me/Desktop/名称未設定Cocoa-AppleScript Applet.app/Contents/MacOS/CocoaApplet: Mach-O universal binary with 2 architectures: [x86_64:Mach-O 64-bit executable x86_64] [arm64e:Mach-O 64-bit executable arm64e]
/Users/me/Desktop/名称未設定Cocoa-AppleScript Applet.app/Contents/MacOS/CocoaApplet (for architecture x86_64): Mach-O 64-bit executable x86_64
/Users/me/Desktop/名称未設定Cocoa-AppleScript Applet.app/Contents/MacOS/CocoaApplet (for architecture arm64e): Mach-O 64-bit executable arm64e
そういうわけではないようです。このことから、Appleの現場ではApple Siliconで動作チェックを行なっていないか、チェック自体を行なっていないか、文字が読めないようです。