
著者:Takaaki Naganoya(Piyomaru Software)
ページ数:未定
フォーマット:PDF+Zipアーカイブ
本書は、Cocoa Scripting本の第10弾。書式つきテキストをAppleScriptで扱うという、とても地味〜なテーマの本です。地味ではあるのですが、本書は次巻のWebKitのために必要なHTML作成やMarkdownの取り扱いなどの情報を含んでいます。書かずに次に進めないという困った存在でもあります。
「書式つきテキストそのもの」が最終成果物になるケースは少ないのですが、何かの処理を行うさいの「部品」として書式つきテキストを使うことは多いでしょう。RTFやRTFDのファイル出力を行うにしても、画像出力するにしても、PDFに出力するにしても、書式つきテキストが作れないと思い通りのデータを出力できません。何か書式つきのデータを出力するさいに、避けて通れないのです。
いちいちパラメータを指定して書式つきテキストを作るのは面倒なので、作成部分を共通ルーチン化して呼び出すことは普通にやっているわけですが、HTMLやMarkdownでデータを作成して、書式つきテキスト変換の記述を多くしがちです。メモ.app上にスタイルつきテキストのエントリを作成するさいに、Markdownのタグを付けた最低限のテキストで指定する程度にとどめたいところです。
筆者のCocoa Scriptingの記述ノウハウがたまるにつれ、NSAttributedStringはおそろしく役立つ存在になりました。AppleScript書類を書式つきテキストとして読み込めるため、構文色分け設定がきちんとしていれば(構文要素間で重複した色指定を行なっていなければ)、AppleScriptのプログラムの各要素が構文的に何であるのか……変数なのか、コメントなのか文字定数なのか、同じ「pVar」という文字列であったとしても、書式情報(筆者は色で見分けています)をもとに特定できるためです。
これによって、AppleScript書類そのものの処理をAppleScriptだけで行うことができるようになりました。その膨大な成果は電子書籍「Script Editor Scripting Book with AppleScript」にまとめています。こちらに興味のある方はぜひ同書もお手に取ってみてください。
目次:
1章
Cocoa Scriptingの概要
Cocoa Scriptingに適した
macOSについて
プログラミングスタイル
調べ方
2章
基礎的なCocoaオブジェクト
AppleScriptとCocoa間のオブジェクト変換
Cocoa Object同士の変換、生成
3章
NSAttaributedString編
4章
スタイルつきテキスト 基礎編
5章
スタイルつきテキスト 上級編