たまにMac用のWebブラウザが新登場しているのですが、ほとんどがGoogle Chromiumの互換といいますか、Chromiumのぱちも……といいますか、ほぼそのまま利用して作られていたりして、そのおかげで割としっかりとAppleScript対応機能が実装されたまま多数のWebブラウザがリリースされるというメリットがありました。

そんな中、たまたま見つけた「Orion」。Kagiが作ったWebブラウザとのことです。

AppleScriptから見ると、見たこともないような挙動をするWebブラウザです。

用語辞書の傾向はChrome系というよりも、Safariからとんがったコマンドを削除したようなたたずまい。

そして、必要な機能がついていなくて、割と「何これ？」と首をひねってしまうような出来です。

SafariもGoogle Chromeも、現在のタブを指し示すactive tabとかcurrent tabといった予約語でアクセスできるのですが、それができません。一応、Windowのプロパティとしてcurrent tabがあるのですが、このtabからIDとかIndexが取得できません。

do JavaScriptコマンドがあるので、ちょっとOrion固有の制限が加わりつつもJavaScriptコマンドを実行してWebのソースコードやテキストを取得できたりはしつつ、Webブラウザ上で選択中の要素を取得できなかったりします。

そして、肝心のdo JavaScriptコマンドでtabを指定する必要があるものの、current tabが何であるかを特定できず……仕方ないので、tabから取得できるURLをもとにどのtabがcurrent tabであるかを探し回ってなんとか。

windowの新規作成は、documentを作成することで行うことに。

人間らしく、というレベルはクリアできていないような気がします。久しぶりに、挙動がここまで不完全というか不自然なWebブラウザを見かけました。