macOS 10.12で導入されたセキュリティ系の機能によって、AppleScriptドロップレットの動作が妨げられる現象が確認されてきました。
ドロップしたファイルが数回に分かれてon openハンドラに渡されたり、ドラッグ&ドロップしたファイルすべてがドロップレット側に認識されなかったりするという動作です。
これは、Gatekeeperの動作とquarantine機能(もたらされたファイルが安全かどうか確認されるまでプログラム側に引き渡されない仕組み)の相互作用によるもの、という話になっていますが……認証のためのインタフェースが用意されておらず、ユーザー側から見れば「説明もなしに動かなくなった」という状態でした。
macOS 10.12、10.13、10.14、10.15、11、12、13、14とずーーっとそのままです。レポートしても修正されず、Scripter側でも対策コードを共有するほかなく、この素朴な機能は問題を抱えたままになっていました。
一応、Shane Stanleyによる対策コードによってドロップレットが運用できていたのと、display drop dialogなどの他のドラッグ&ドロップのためのインタフェースを用意できていたのと、もともと個人的にはドロップレットが性に合わなかった(Finder上の選択中のファイルを取得したほうが事故が起こらなくて簡単)ためです。
macOS 15betaでも問題が解決されていなかったので、この問題は放置状態のまま解決されないものとばかり思っていました。
それが、macOS 15.2betaか15.1あたりで解消されたようで(バグが出ても直してもレポートを出さないのがApple風味)、確認してみると13.7.2でもドロップしたファイルを見失うといった動作をしなくなった……ような気がします。
macOS 13/14/15と現行のmacOSに対しては同様のアップデートが行われたのではないでしょうか。
まだ確認が不十分だと感じるのと、どうせmacOSのマイナーアップデートでまた使えなくなったりするんだろうというところです。
一方で、Cocoa AppleScript AppletについてはmacOS 12.6以降ずっと動作しない状況が続いています。こちらもレポートしても一切の反応がない状態です。直す気があるのであればいいのですが、その気がないのならスクリプトエディタのテンプレートから削除するといった処置が必要(試してみて動かないというのが最悪)でしょう。