AppleScriptにおける「selection」という予約語は割と重要で、選択中のオブジェクトや選択中のテキストを特定したり、選択中のオブジェクトへの処理を行うといった、一歩踏み出した処理が行えます。
KeynoteのAppleScript用語辞書に「selection」が追加されたのは、2019年3月にリリースされたv9.0のこと。
「list of iWork item」を返してくると記載されていることから、スライド(ページ)上で選択中の各種iWork item(shapeとかimageとかtext itemなどの各種オブジェクト)の選択状態を取得できることが期待されたわけですが、実際に試してみるとAppleScript用語辞書のようにiWork itemsを取得できるわけではありませんでした(当時のガッカリ感が半端ない)。
ところが、些細なことからこのKeynoteのselectionが「何を」選択しているかを返すかが分かってきました。
この、ウィンドウ左側のアウトライン表示されている各スライド(ページ)。ここを複数選択した状態でselectionを実行すると、このスライドがlistで返ってくることがわかりました。
この動作を知らずに(KeynoteのAppleScriptの用語辞書を信用して)試すと、現在表示中のスライド(ページ)のオブジェクトがリストで返ってくるという動作になります。なので、このselectionは現在表示中のスライド(ページ)のオブジェクトを返す(超使えない)コマンドだと判断していました。
ウィンドウ内容の表示ポップアップから「Light Table」を選択すると、
ここで複数スライドを選択しても「selection」で選択状態を取得できるわけではないようです。
Keynoteに対するAppleScriptの処理で、スライド上の各種オブジェクトの位置やサイズを統一するようなものがありますが、そういう範囲で使うのであれば有効に使えるといったところでしょうか。