2002年にAppleScriptで、現在のSiriのようなシステムを作ってデモを行っていました。
そもそも、本Blog「AppleScriptの穴」は、このNewt On Projectで作った膨大なAppleScirptを分解して掲載し、macOSのアップデート時の差異から動作しなくなることを防ぐべく、一般に公開することで動作しない場合のレポートによりメンテナンスすることを目的として設立したものです。そのために、初期からカレンダー計算系のScriptが異様に充実していたのです。
このNewt On Projectの件については、国内外で紹介してきましたが、MacScripter.netの管理人から「その時代にAppleScript Studioは登場していない。あんたは嘘つきだ!」となじられました。
たいへんに失礼な話であり、自分の知識のなさと想像力の欠如と技術力のなさを棚に上げて「嘘つき」呼ばわりとはたいしたものです(私をMacScripter.netでBanした本人が、こうして根拠薄弱な個人攻撃をするとはお笑い草です)。
当時、AppleやMicrosoftの人間やら、一般のMacユーザーの前で何度もデモを行なってきているので、それをなかったことにしようとは。
さらに、ムービーに映っているメニュー左上には「Word」と表示されているのがわかります。目が見えていればそれも認識できることでしょう。このScriptはMicrosoft Wordをフロントエンドとして、Microsoft Word v.Xの日本語形態素解析の機能を活用して動作していました。逆をいえば、Microsoft Office v.XのWordに過度に依存していたために、メジャーアップデートで機能構成が変わって(日本語形態素解析機能をAppleScriptから利用できなくなって)、動作できなくなりました(AppleScript Studio上に試作品なども作っていたのですが、自分が求める機能に自分の実装レベルが追いつけなかった記憶があります)。

現在、2002〜2003年ごろに書いたNewt On Projectの記事アーカイブについてはWeb上に残されていません。そのため、そうした心無い人々が「嘘だ」と言ったとしても、実際に動くバイナリとYouTube上のムービーしか残っていない状態です(ちょっと前にedama2さんが実際に動かして遊んで驚いていました)。
そのため、過去の記事ではありますが、Newt On Projectの成り立ちや実際のデモ風景などをまとめた記事アーカイブを掲載しておくことにしました。
–当時の活動履歴(2002〜2003)
2003/5/24 Apple Users Group Meeting/Tokyoにて、Newt On、漢字Talkerなどをデモ。
2003/5/4~5 iWeek 2003に出展。Newt On、漢字Talkerのデモを実施。漢字Talker開発途上版CDを販売。
2003/2/23 GUI Scriptingの応用例として、デモンストレーションをApple Users Group Meeting/Tokyoで実施。CCDカメラからの入力映像でモーションを検出すると、iChatで報告するAppleScriptを紹介。→ 記事
2003/1/25 楽器のユーザーインタフェース例として、JaminatorのデモをApple Users Group Meeting/Tokyoで実施。とかく煩雑になりがちな音楽系のインタフェースが、ここまで簡単にできるという好例として紹介→ 記事
2002/11/30 プロジェクトの方向性や問題について話し合うための緊急ミーティングが開催されました。→ 記事
2002/10/29 「Mac People」誌10/29発売号のP-11に、大谷和利さんのコラム「People Watching」でNewt Onが紹介されています。「OS Xが疑似人工知能に! Newtonを超えるNewt On」というタイトルです。なんと、目次の次の記事ということで、最初は見つけられませんでした(^-^; 付録CD-ROMにはNewt Onと一般初公開のNewt Off.(なんと、Web公開よりも前にCD収録)が入っています。ぜひ書店にてお買い求めください。
2002/10/26 Apple Users Group懇親会で、PowerMate(ボリウム式コントローラ)、Keyspan Digital Media Remote(Macを動かす赤外線リモコン)、Zeph IR!(家電コントロール用の赤外線コントローラ)のデモを行いました。また、PowerMateでNewt Off.のコマンド認識機構を呼び出すデモなども実施。
2002/9/末 Apple Users Group懇親会で、Newt Off.のデモをPowerMac G4 1.2Gデュアルを使って行いました。
2002/9/8 AUGST in Tokyoにて「Newt Off.」のデモを実施。その様子をレポートにまとめました。→ 記事
2002/8/23 SSFactory氏による「Newt Off.」の一般配布版のバイナリがNewt Onプロジェクトメンバー向けに公開されました。ドキュメントを整備したのちに一般配布のはこびとなります。本バージョンでは、Newt Off.の所有者認識、顔グラフィックによるより進歩したビジュアルフィードバック、現在もっとも高レベルにある日本語コマンド解析機能などが盛り込まれています。Newt Off.については、office v.Xさえあれば誰でもすぐに試せるものです(公開に向けてプロジェクト内での検証作業中)。
2002/8/17 Newt On/Newt Off.ともに各種DB処理にファイルメーカーPro以外のデータベースを使用して高度な処理を行えるようAppleScriptの書き換えを準備中。現時点で試験実装しているのは、Valentina。
2002/8/10.11 名古屋で行われたAUGST in 名古屋で、Newt On/Newt Off.をデモしました。Newt Off.で「今年のクリスマスイブの夜にデート」などの高度なスケジュール予約を披露。→ デモムービー
2002/8/7 Newt On/Newt Off.用の、カレンダー計算を行う重要なコンポーネント「Calendar Scripting」を、鈴木@MacLab.氏の助言により、きちんと日本語表示や処理が行えるようになりました(そのままでは、Mac OS X上のASのバグのせいで日本語処理が破綻)。これによって、デモ時にClassic環境の起動が不要に。
2002/8/3,4 仙台で行われたAUGST in 仙台でNewt Onと、本邦初公開の「Newt Off.」(office v.X向けカスタムバージョン)をデモしました。
「今年のクリスマスイブの夜にデート」
「15時からミーティング」
など、Newton顔負けの日本語コマンドを認識! Entourageのスケジュール予約を念頭に置いて作られた開発途上バージョンのNewt Off.でしたが、その高度な日本語認識機能を披露。
もっとイベント全体に人が集まっていればよかったのですが(^-^; それでも、見てくださった方にはもれなくインパクトを与えたようです。
2002/7.27 アップルUsers Group懇親会にて、Newt Onをデモ。
現段階のMacを原始的な「電卓レベル」であるとし、われわれはこれをインテリジェントな「ドラえもん」のレベルに持っていくプログラム(=Newt On)を作っている、と説明。
内容について駆け足でご紹介しましたが、最後には大きな拍手をいただきました。
AUGSTの仙台、名古屋、東京の各会場にて、Newt Onのデモを実施いたします。




