2020年:macOS 11(自分はmacOS 10.14を使用)
毎年書いている記事であり、いろいろ準備していました。コロナ禍の影響もあり、踏んだり蹴ったりの1年といってよいでしょう。
→ 2019年に書いた価値あるAppleScript
→ ぴよまるソフトウェアが選ぶ、2018年に書いた「価値あるScript」
本Blogにおいては、1つの大きな方針転換を行なっています。自分は高性能な部品を適度に提供しておけば、AppleScriptの有用性は主張できると思っていたのですが、部品だと価値がわからない人がとても多いという結論に至りました。
つまり、おいしい野菜やお肉を提供していても、みんなが調理できないので「料理」として提供しないと理解されないということなんですね。なので、「料理」としてのMac App Storeアプリケーションを作って売ることに重点を移しました。フルコース料理を出してみたら意外とウケなかったので、その引き立て用の小皿料理を増やしているという状況です。
今年1年を通じて一番「会心の一撃」だったのは「Kamenoko」。最も多くの人にリーチしたのは「Uni Detector」でしょう。どちらもAppleScriptで開発して、Mac App Storeから提供しています。
そうしたアプリケーションを作る中で育てられた機能も多く、1年を通じて画期的なScriptが登場してきたと感じます。今年1年だけで相当の進歩が達成されています。
ではさっそく、振り返ってみましょう。
■2020/1
2020年1月は、「各月で2本」という選定基準を遵守できないほど画期的なScriptが多数出てきました。この月に登場したScriptは重要なものばかりです。
とくに、AppleScriptのランタイム環境の名称がAppleScript側から取得できるようになったことの意義は大きく、ランタイム環境ごとに挙動を変化させるといった処理が可能になりました。この情報はかなり前(それこそMac OS X 10.1ぐらいの時期)から調べていたものですが、別の用途のために作ったものが使えてしまい、実は5年前にはその方法を明らかにするScriptを書けていた(のに気づかなかった)ことに驚きを禁じえません。
GUI Scriptingでコンテクストメニューのキャプチャを取得
AppleScriptを実行中のランタイムプログラム名を取得する
display drop dialog Script Library
■2020/2
Kamenokoの部品として作った「common elements Lib」が登場しています。まだKamenokoにフィードバックできていませんが、個人的にこんな演算ができたことに驚いています。
Wikipedia経由で2つの単語の共通要素を計算するcommon elements Lib Script Library
■2020/3
このあたりもKamenokoの部品です。
■2020/4
AppleScriptで作ったSandboxアプリケーションでファイル保存の処理を行うときに必須の「ファイル保存ダイアログ」Script。アプリケーション内でREST APIを呼び出すための部品もキャッシュが有効になるなど高度な進化を遂げました。今年、JavaScriptのライブラリを呼び出して異次元の処理ができるようになったScript群の先鞭をつけたScriptも4月に登場しています。
NSURLSessionでREST API呼び出しv4.4.2a
アラートダイアログ上にWkWebViewでGoogle Chartsを表示 v2
■2020/5
このあたりも、Kamenokoのために作った部品ですね。
ダブルクリックとコンテクストメニュー表示をサポートするボタン
■2020/6
今年の一番のScriptが登場。WebView上でインタラクティブな表示を行い、選択表示ができる部品に昇華しています。この時点ではただ表示するだけでしたが、指定した内容を表示して、選択したアイテムを取得できるように使いこなせています。
アラートダイアログ上にWebViewで3Dコンテンツを表示(WebGL+three.js)
アラートダイアログ上にd3-cloudを用いてワードクラウドを表示
■2020/7
このあたりも地味ですが、非常に良作です。macOSの新たに作られたUTI系のFrameworkで、実際に使いこなした記事が存在するのが本Blogのみという状況が長く続いていました。
■2020/8
このScriptは、そもそもOS側にそうした機能が存在していないにもかかわらず、実際に機能を提供できてしまうというものです。
PDFにパスワードが設定されている場合には、そのパーミッション情報を取得する
■2020/9
本Scriptはいろいろ重要なものです。PhotoshopデータであるPSD形式の書類を作成できることはとても重要です。Mac App Storeにアプリケーションに、他のアプリケーション(Photoshop)の存在を前提としたものは提出できません。AppleScriptで作ったアプリケーションであったとしても、Photoshop形式のデータを自力でオープンできたり、自力で保存できる必要があります。
■2020/10
なぜかAppleScriptでゲームを作りました。
AppleScriptでリアルタイムキースキャンを行いCotEditor書類上にカーソル描画
Pixelmator Pro AppleScriptコンテストで優勝
■2020/11
これも、各種アプリケーションで利用するために作成したものです。
■2020/12
実際にいま作っているコンテスト用の作品に向けて書いたものです。
2021年に書いた価値あるAppleScript – AppleScriptの穴 says:
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2022年に書いた価値あるAppleScript – AppleScriptの穴 says:
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2023年に書いた価値あるAppleScript – AppleScriptの穴 says:
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