2021年:macOS 12(自分はmacOS 11、12を使用)
毎年行なっている、Piyomaru Softwareが書いたAppleScriptの1年を振り返る記事の2021年版です。恒例行事です。
あいかわらずコロナ禍の影響で踏んだり蹴ったりの1年だったので、本を書くことに注力。これではPiyomaru SoftwareではなくPiyomaru Publishingだ、などと冗談を言っていましたが、年に13冊出して進行中のものが数冊あるという状況。本当にPiyomaru Publishingです。
→ 2018年に書いた価値あるAppleScript
→ 2019年に書いた価値あるAppleScript
→ 2020年に書いた価値あるAppleScript
本を短期間かつ1人で書いて、レイアウトして、電子書籍として仕上げるためには、それを補助する大量のAppleScriptが必要です。面倒な作業はとっととAppleScriptで自動化して、繰り返し行う煩雑な作業をMacに行わせる環境を整備してきました。逆に、そういうScriptを用意できているので作業を省力化して、書けているという状況があるともいえます。AppleScriptによる補助なしにはこんなペースで書くことは不可能でしょう。
今年書いた本の中でどれがどうということはないんですが、Cocoa Scripting本は書き始める前には、一体どういうものを書いてよいのかさっぱり分かりませんでした。戦場の絆本だってそうです。どれひとつとして、企画段階のままの内容で完成したものなどありません。
2021/1 FileMaker Pro Scripting Book with AppleScript macOS 12対応アップデート
2021/2 [Eng] FileMaker Pro Scripting Book with AppleScript
2021/3 Cocoa Scripting Course Volume #1 NSString
2021/3 Cocoa Scripting Course Volume #2 NSArray
2021/3 Macとアップルスクリプトで学ぶ いまからはじめるプログラミング①
2021/4 Macとアップルスクリプトで学ぶ いまからはじめるプログラミング②
2021/4 Cocoa Scripting Course Volume #3 NSDictionary
2021/5 ミュージック.app scripting book with AppleScript
2021/7 機能強化AppleScript集 CotEditor用 PowerPack 取扱説明書
2021/7 空前絶後あなたの知らない ヤバイAppleScriptの世界
2021/8 elgato STREAM DECK 徹底活用 Mac+STREAM DECKで時短+作業効率化!!
2021/9 空前絶後あなたの知らないヤバイAppleScriptの世界 iOS対応版
2021/10 アーケードゲーム「戦場の絆」僕らの15年戦争
書いた本はどれも「こんなものがあればいいのに!」というアイデアを形にしたものばかり(読者ニーズを形にしたものではないところにギャップはありますが、、、)。新基軸は、iOS用のFileMaker Goを電子書籍プラットフォームと見立てて、各種情報+ロジックを1つにまとまた本を出したことです。「iOSで読む」本についてはいろいろ構想もありますが、まだ試行錯誤の最中といったところでしょう。
FileMaker Pro系のコンテストには「FileMaker選手権2020」「FileMaker選手権2021」「FM-1グランプリ」の3つに応募し、FileMaker選手権2020ではDropbox賞を3つ(3年分)、FM-1グランプリでは仕事効率化部門で部門準賞をいただいています。
■BEST AppleScript of 2021
今年書いたAppleScriptの中で、個人的に一番会心の出来だったのは「部首で漢字検索」シリーズです。外部のデータに依存してはいるものの、テキスト中の漢字を部首で検索できるというのは、なかなかすごいことです。
技術レベル云々を問題にしなければ、macOS 11+M1 MacでAppleScriptの動作速度が遅いことを検証したサンプルAppleScriptと報告書のまとめでしょうか。おそらく、他にも同じようなレポートが行われていたところに、きちんとベンチマークをとって動作の異様さを報告したものが役立ったが、おそらくその前からApple社内で当たりはつけていたのでしょう。
M1 Mac miniが到着してすぐベンチマークを回して「なんだこの遅さは???」と気づいたぐらいだったので、半年前のWWDC以降に開発者向けに貸し出されたDTK(Developer Transition Kit、A12Bionic搭載マシン)を試していた人たちは揃いも揃ってみんな本当に気づかなかったんだろうか? という素朴な疑問があります。
M1上でのAppleScriptからのCocoa呼び出しの速度がmacOS 11.x上のレベルのままだったら、と思うとなかなか怖いものがあります。
■2021/1
FileMaker Pro Scripting Bookの英語版を書いていたので、こうしたものが必要になりました。日本語のままで未翻訳の文章が残っていると困るので、そのチェックのためのツールを書いてみたというところです。
1/28 最前面のKeynote書類のテキストアイテムの英語化率を求める
■2021/2
部首で漢字検索を行えるAppleScriptは、もともとのデータを作った人が偉いわけですが、実際に手元で用意したテストデータに対して実行し、その処理内容を正しく評価してAppleScriptから呼び出せるようにしたところに価値があるものと考えます。
2/21 部首で漢字検索
2/24 指定した文字で囲まれたキーワードの色を置換する
■2021/3
環境を用意するだけで手間がかかる超解像処理が、PixelMator Proで手軽に呼び出せるようになっていることに感服します。本処理は実に有用です。
3/25 画面スナップショット超解像バッチ処理 v1
■2021/4
Pagesの書類から最大サイズの文字で書かれている文章をタイトルとして取り出す処理を行うAppleScriptです。せめてPagesでタイトルの書式属性に該当するテキストを抽出できるようになっているとよいのですが、そういう機能は一切ないので困ります。
4/12 Pagesで最前面の書類中のテキストアイテムと本文テキストで文字サイズが最大のもののテキストを求める
■2021/5
Music.app本に掲載するために書いたものですが、なかなか苦労しました。AppleScriptからデータを取得したい内容です。
5/12 LAN上のdaapクライアントの共有名をリストアップ v2
■2021/6
M1 Mac miniを手にしたその日に強烈な違和感をおぼえ、ベンチマークを用意して実行してみました。これをやっていなかったら、macOS 12でもAppleScriptからのCocoa呼び出しは遅いままだったでしょう。技術的に高度かどうかはさておき、これをやらなかったら全世界的に致命的な影響が出たであろうことを考えると身震いします。
6/22 macOS 11, AppleScriptをFirestormではなくIcestormで実行か?!
■2021/7,8
とくになし。この頃が一番忙しかったので。
■2021/9
電子書籍「僕らの15年戦争」のために用意したものです。Pagesは長大なコンテンツの編集にまったく向いておらず、なるべく記事ごとに小割りに書類を分けないと困ります。そのため、全書類に対して同じ修正を行いたいといった場合、手作業で行うのは現実的な方法ではありません。AppleScriptから一括処理することが必須です。
9/22 Pagesの最前面の書類で選択中のツメを修正する
■2021/10
macOS 12で新規搭載されたショートカットをAppleScriptから呼び出したりいろいろ試し出しました。ただ、ショートカットの完成度がいまひとつというべきなのか、「よくまあこれでいままでiOSユーザーは文句を言わなかったもんだ」と呆れるほどのいい加減な出来に言葉を失っています。
10/27 AppleScriptからショートカット実行&ショートカット内でAppleScriptを実行
■2021/11
macOS 12上でショートカットをAppleScriptの処理内で実行するため、存在確認とインストールまで自動で行うことを試したAppleScriptです。まだ完全体とは言い難いですが、方向性はいいと感じています。
11/1 Shortcuts Eventsでショートカットのインストール+実行
電子書籍の作成補助Scriptの1つ。表のセルに入れた丸つき数字のリナンバー処理は、表コンテンツを編集すると必ず発生していた無意味な作業であり、これを手軽に行えるようにしたことは意義深いでしょう。
11/27 選択中の表の指定行・列のマル付き数字リナンバー v2
2022年に書いた価値あるAppleScript – AppleScriptの穴 says:
[…] 2021年に書いた価値あるAppleScript […]
2023年に書いた価値あるAppleScript – AppleScriptの穴 says:
[…] → 2019年に書いた価値あるAppleScript → 2020年に書いた価値あるAppleScript → 2021年に書いた価値あるAppleScript → […]