Myriad Tables Lib(最新版はv1.13)はShane StanleyによるAppleScriptライブラリで、かつてのClassic MacOSに存在していたGUI記述系のOSAX(名前は忘れた)を思わせるほど柔軟性が高いAppleScriptライブラリの逸品です。
自分としては、これを用いる場合でも過度な作り込みを行わず、編集可能なデータビューワー的な機能を手軽に追加するのがよいと感じています。
自分でもさらに機能を簡略化した「display table by list」ライブラリを用意しています。
macOS自体のセキュリティ制限により使えないケースも
ところが、本ライブラリが機能しないケースが確認されました。
特定の呼び方を行うと、ダイアログ+表の表示そのものが封じられるという、macOS側の新たな制限によるもののようです。
そのため、自分がmacOS 10.12用にAppleScriptで開発したシステムが、現在のmacOS 14.xで部分的に動かなくなってしまいました。目下、システムを改修中です。Myriad Tables Libを使って手抜きをしていた箇所を、すべて自力で表UI(NSTableView)を使って表示・編集する必要があるようです(けっこう大変)。
ステータスメニューから呼び出した場合にブロック
同システムはステータスメニューからタイマー機能を呼び出すようなシステムだったのですが、このメニューからMyriad Tables Libを呼び出すと、Xcode上で作成したAppleScriptアプリであっても、Script Debugger上で実行したAppleScriptであっても、表示がブロックされてしまいます。
ランタイム環境がどれであっても、ステータスメニューから呼び出してMyriad Tables Libによるテーブル表示は行えませんでした。
macOS 10.12:可能
macOS 10.13:不可
macOS 10.14:(未検証)
macOS 10.15:(未検証)
macOS 11.x:(未検証)
macOS 12.x:(未検証)
macOS 13.6:不可
macOS 14.6:不可
macOS 15β:(未検証)
これは、Script Debugger上で実行したAppleScriptから、ステータスメニュー上に動的に項目を作成し、そこにメニューを追加した場合でも、Xcode上で作成した場合でも同様の挙動が見られます。
Shaneに聞いてみた
その後、Shaneに実際に聞いてみたところ、ダイアログ表示をメインスレッド実行しないとできないらしい(意訳)ことが明らかになってきました。
ダメ元で表UIつきダイアログ表示を明示的にメインスレッド指定して実行してみたところ、ハネられました。
自作の「display table by list」ライブラリを同様に呼び出してみたところ、これも表示できませんでした。このライブラリは自分が作ったのでソースコードをすべて自分が管理しており、アラートダイアログの表示ハンドラをメインスレッド指定で呼び出しています。どの時点でメインスレッド指定実行しないとダメなのかは明確ではありませんが、割と八方ふさがりな状況です。