β版も出ないで唐突にリリースされたmacOS 12.5.1および11.6.8において、Finderのselectionでスクリーンショット画像を取得し、Finderにopenコマンドを送ってLaunch Serviceまかせでオープンすると、「……を表示するためのアクセス権がないため、開けませんでした。」というメッセージが表示され、画像がオープンされないという問題が報告されています。
tell application "Finder" open selection end tell
たしかに、Finderまかせでアプリケーション無指定でファイルオープンさせるのは「楽」なのですが、もしもこれが「スクリーンショット画像を装った実行ファイル」への対処だったりすると、バグとも言い切れないような印象を受けます(何の問題なのかが報告しづらいです)。
いろいろ確認してみると、スクリーンショットであることを示すメタデータ、
kMDItemIsScreenCapture = 1
が付いている場合に、このアクセス権がないというダイアログが表示されるようです(他の因子もあるかも???)。
me@myMac ~ % mdls /Users/me/Pictures/as\ runtimes.jpeg _kMDItemDisplayNameWithExtensions = "as runtimes.jpeg" kMDItemBitsPerSample = 24 kMDItemColorSpace = "RGB" kMDItemComment = "Screenshot" kMDItemContentCreationDate = 2022-08-21 01:51:41 +0000 kMDItemContentCreationDate_Ranking = 2022-08-21 00:00:00 +0000 kMDItemContentModificationDate = 2022-08-21 01:51:41 +0000 kMDItemContentModificationDate_Ranking = 2022-08-21 00:00:00 +0000 kMDItemContentType = "public.jpeg" kMDItemContentTypeTree = ( "public.jpeg", "public.image", "public.data", "public.item", "public.content" ) kMDItemDateAdded = 2022-08-21 01:51:41 +0000 kMDItemDateAdded_Ranking = 2022-08-21 00:00:00 +0000 kMDItemDisplayName = "as runtimes.jpeg" kMDItemDocumentIdentifier = 0 kMDItemEXIFVersion = "2.2.1" kMDItemFSContentChangeDate = 2022-08-21 01:51:41 +0000 kMDItemFSCreationDate = 2022-08-21 01:51:41 +0000 kMDItemFSCreatorCode = "" kMDItemFSFinderFlags = 0 kMDItemFSHasCustomIcon = (null) kMDItemFSInvisible = 0 kMDItemFSIsExtensionHidden = 0 kMDItemFSIsStationery = (null) kMDItemFSLabel = 0 kMDItemFSName = "as runtimes.jpeg" kMDItemFSNodeCount = (null) kMDItemFSOwnerGroupID = 20 kMDItemFSOwnerUserID = 504 kMDItemFSSize = 259097 kMDItemFSTypeCode = "" kMDItemHasAlphaChannel = 0 kMDItemImageIsScreenshot = 1 kMDItemInterestingDate_Ranking = 2022-08-22 00:00:00 +0000 kMDItemIsScreenCapture = 1 kMDItemKind = "JPEGイメージ" kMDItemLastUsedDate = 2022-08-22 05:31:24 +0000 kMDItemLastUsedDate_Ranking = 2022-08-22 00:00:00 +0000 kMDItemLogicalSize = 259097 kMDItemOrientation = 1 kMDItemPhysicalSize = 262144 kMDItemPixelCount = 1003255 kMDItemPixelHeight = 1073 kMDItemPixelWidth = 935 kMDItemProfileName = "Cinema HD Display" kMDItemResolutionHeightDPI = 72 kMDItemResolutionWidthDPI = 72 kMDItemScreenCaptureGlobalRect = ( 15, 25, 935, 1073 ) kMDItemScreenCaptureType = "window" kMDItemUseCount = 6 kMDItemUsedDates = ( "2022-08-20 15:00:00 +0000", "2022-08-21 15:00:00 +0000" )
ただ、これがFinderの問題なのかといえば、Finder上でファイルをダブルクリックしてデフォルトのアプリケーションでオープンさせるという動作はできるので、Finderのバグと言いにくい。
AppleScriptの問題なのかといえば、個別にオープンするアプリケーションを指定すれば問題は起こらないので、問題として報告しにくい。
Launch Serviceの問題なのかといえば、Launch Serviceそのものの問題とも言えない。
Apple内の複数チームにまたがる「複合要因」による障害というのは、Appleのチーム間の調整がとぼしいことにより、問題が顕在化したまま治らない傾向があります。ユーザー側もこの問題を「バグ」として報告しにくいものがあります。
Finderにアプリケーション・ファイルをオープンさせるとアプリケーションを起動できてしまうという、Sandboxの「穴」をふさいだのではないか、という見立てもあるわけですが、正直よくわかりません。
少なくとも、これらのバージョンのOSではこういう動作を行うよ、という情報をユーザー間で共有するぐらいしか「できること」がなさそうに見えます。
個人的には、こういう処理はしないので「そうなの??」ぐらいの印象でしたが、ちょっとしたAppleScriptをコピペで書いて、さまざまなツールから起動するだけという種類のScripterはよく利用する記述のようなので、不満を感じる内容のようです。