Script Debuggerのv8のPublic Betaが出たので、早速試していますが……まだ日本語環境で作ったAppleScript書類の表示に問題を抱えています。
今回のv8ではApple Silliconへの対応のほか、待望のDark Mode対応なども行われ……普通にAppleScriptを表示するうえにScript Debugger側で設定したDark Themeで表示するなど表示情報が多層化されているようです。
そのために、Roman Language以外のCJK環境のフォント表示で問題を抱えているもよう。とはいっても、LateNight SoftwareはこのジャンルではMac界最強の開発チームであるため、対応は行われることでしょう。
それが今日明日のうちに実現されるかと言われれば、まだ時間が必要といった印象を受けています。
なお、さまざまな仕様の多くはSD7に準じているもようです。
「as anything」は「as any」と解釈されます。これは、macOS 10.13までは「as list or list of string」という謎の解釈を行なっていた(any型は内部的に存在していたが予約語がなかったもよう)ものが、macOS 10.14でスクリプトエディタ側は「as anything」と解釈し、Script Debugger側では「as any」と解釈するようになりました。
自分が「as anything」を発見した顛末は、
にまとめたとおりです。欠点もありますが、自分はこの「any型cast」は言語仕様上必要だと思います。スクリプトエディタとScript Debuggerでこの解釈が統一されていないのは問題であると考えます。
あるいは、スクリプトエディタやScript Debugger以外の「何か」があったほうがよいのかもしれません。Apple側は機能については追加する考えはないようですし(削るばっかり)、Script Debuggerも生産性の向上にはさほど寄与しません(ないと困る道具ではあるものの、あったからといってものすごく効率が上がるわけでもありません。クラッシュ回数多すぎです)。
生産性を維持するために自分がやっていることは、いままでに組んだScriptを部品化して再利用すること、部品を探しやすくすること、スニペット(断片的なプログラム記述入力)を充実させることです。Script Debuggerのスニペットで高度なことができるわけではない(Script Debugger側が想定している範囲を超えられない)ので、本当に必要な時以外はインテリジェントなスニペット(Piyomaru Script Assistant)で魔改造しまくってあるスクリプトエディタを使っています。
Script Debuggerが提供しているデバッグ機能は、ブレークポイントの設定やステップ実行、トレースなどのまっとうで高度な機能ですが、正直なところそれって「入門者レベルに有用」なものばかり(初心者にScript Debuggerは有用)。普通に書いているScripterがそれを必要としているかといえば、ちょっとニーズがズレてしまっていると感じます。数千行クラスの大規模なScriptのデバッグでステップ実行みたいな悠長なことはしませんよね? モジュール単位で再テストしやすくするための仕組みのほうが大事ですよね?
正直なところ、自分はスクリプトエディタにもScript Debuggerにも満足できていないので、第3の選択肢はあるべきだと考えます。