AppleScriptからFileMaker Proをコントロールするやり方を基礎から実戦レベルまで紹介する電子ブック「FileMaker Pro Scripting Book with AppleScript」を発売いたしました。定価は3,000円です。
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これまでに、「AppleScriptえほんシリーズ」を3冊出しています。Scriptについて理解していなくても、本のとおりに操作して入力すればGUIアプリケーションを動かせることから、余力があればもっと充実させたいコンテンツではあります。
▲コンテスト応募作品「Word Color Palette」。いつものthree.js回転UIなど、AppleScriptでおなじみのInterfaceをFileMaker Pro上に移植。シソーラス辞書検索やSVGサンプルデータへの自動配色などにAppleScriptを利用(iOSやWindows上では機能ダウンした処理を実行)
FileMaker Proはさすがに機能が多く、この「えほんシリーズ」フォーマットの計画もあったのですが、内容に無理を感じていました。同様にSafari本についても検討したものの「途中から急に技術レベルが上がって、入門者向けにはならない」(do javascriptコマンドが出てくるあたり)ということで塩漬け状態。そのジレンマを打開するための新たなシリーズが「徹底解説シリーズ」です。
「画面図多め+文章少なめ」の「えほんシリーズ」のフォーマットを踏襲しつつ、「えほんシリーズ」の特徴である難易度設定の厳重な管理により、急激に難易度が上がったり、そもそも記事の難しさがどの程度なのかわからないといったことのないように配慮しています。「初級」「中級」「上級」の3レベル分けを行っています。
「えほんシリーズ」ではページ数を少なめ(64ページ以下)に抑えていましたが、「徹底解説シリーズ」では分量を抑えるよりも対象のテーマを説明し切ることに重点を置き、対象レベルを若干上げています。分冊構成にすることも検討したのですが「では、検索をしたかったら下巻も買ってね」というのはさすがにご無体なので、1冊にまとめて139ページとなっています。
とくに、対象がFileMaker Proということで、同アプリケーションのエキスパートである新居雅行氏から監修していただき、内容の充実も図っています。
▲掲載デモScript。FileMaker Proのスキーマ定義を自動で行うAppleScript。リストで与えたフィールド名を自動作成。ちょっと手直しすればNumbersの表計算データからフィールド名を外部供給することも容易
これまで、プログラムリストをPDF本文にURLリンクで埋め込むという手法を用いていましたが、macOS 10.15以降のPDFViewにおいてどうもこのURL埋め込み式のPDFをApple側がセキュリティホール源と捉えており、とくに説明なしに機能をダウンさせています。このあたりの話は「専用のビューワーアプリケーションを作る」「リストを掲載しているBlogのページにURLリンクで飛ばす」などの対処が検討されてきましたが、どれもすべてを解決できるわけではありません。
そこで、おおもとの方式に差し戻してAppleScript書類のアーカイブを添付することにしました。AppleScript書類と、他のOS環境でも内容をオープンできるようRTF形式のファイルも添付しています。
また、最近の電子書籍購入者の方にはご案内していますが、「Piyomaru Script Assistant」のバージョン2を添付。Cocoaの機能呼び出しを意識した内容に再編し、macOS 10.13以降のOS環境をターゲットとしています。スクリプトエディタのコンテクストメニューからAppleScriptの主要構文を選択入力できるこのツールは、作った本人でもインストールしていないと作業性が大幅に低下してしまうほどの必携ツールです。
完成度については、さすがに屈強の筆者であり開発者であり編集者である自分が朝から晩まで作り込んだうえに、新居さんに監修していただいた(ダメ出しされまくった)だけあって、「手元に1冊置いておきたい出来」にはなっていると自負しています。