Pixelmator Proがv2.0.5からv2.0.8にバージョンアップして、3D LUT(Look Up Table)をサポートしました。
自分は知らなかったのですが、映像や画像の処理時に、色の明度カーブをテーブルで置き換えることで、色の調子を整えたり、「●●っぽい色(光)使い」のデータを他の映像/画像データに統一的に適用させたりと、カラーフィルタ的なものをプログラムではなくデータで表現したもの、と理解しました。カラーコレクション系の技術というか手法で、調べてみるとnVidiaとかAdobeとか、そういう会社が関わってきたようで。
3D LUTのファイル(拡張子「.cube」)のUTIを確認したところ、”com.blackmagicdesign.cube”。ビデオ編集関連のハードウェア/ソフトウェアでさまざまな製品を世に送り出しているBlackMagic Designが仕様の策定を行っているのでしょうか。
この3D LUTをPixelmator Proがサポート。42個のLUTをアプリケーション内で持っているほか、外部の3D LUTファイルを指定することも、Pixelmator書類から3D LUTを生成して書き出すこともできるようです。
AppleScript用語辞書的には、「export as lut」コマンドを新設したことと、「color adjustments」コマンドに「custom lut」を指定するオプションを追加しています。
AppleScript名:現在オープン中の写真に指定のLUTを反映させる.scpt |
–Pixelmator Pro用語辞書内に掲載されているサンプルを、読みやすいように書き換えた set lutFile to choose file with prompt "Choose the LUT you’d like to apply to the layer:" of type {"com.blackmagicdesign.cube"} tell application "Pixelmator Pro" tell front document tell color adjustments of first layer –ここだけ、ネスティングを分割するとエラーになる set its custom lut to lutFile end tell end tell end tell |
Githubを調べてみたら、Objective-Cで書かれた「CocoaLUT」というプロジェクトを見つけました。ずいぶん前から(7年以上前から)存在していたようで、自分は寡聞にしてこれを知りませんでした。ひととおり機能に目を通してみると、3D LUTのファイルを読み込んでNSImageにカラー変更を適用するといった処理が行えるようです。AppleScriptからダイレクトにCocoaLUTを呼び出して色変更できそうです。
一応、Pixelmator Proの「謝辞」を見てみたところ、「CocoaLUT」に関する記載はなかったので、Pixelmator Proでこのプロジェクトの成果物を利用しているといったことはなさそうです。
YouTubeにアップしたムービーをご覧いただければわかるように、Pixelmator Proで3D LUTによる色置換処理を行ってみると、とても高速です。