Mac App Storeで販売したはいいものの、途中(macOS 10.13)でド派手なバグをOS(PDFView)に作られ、AppleのDevelopper Supportに正式に連絡してもなしのつぶてでそのままMac App Storeに置かれている「Double PDF」。さすがに現状のままだとまずすぎるので、macOS 10.14/10.15上で動作するように改修作業を行なっている今日このごろ(macOS 10.13.xでは、動くことは動くんですがOS自体の未修正バグが多すぎて動作保証いたしかねます)。
# OSをアップデートすると機能が落ちるとは何事だろう?
PDFViewのド派手なバグ(currentPageを取得できない)を回避するために、自前でAppleScriptでいろいろ回避コードを走らせているので、ページめくりのスピードが落ちています(個人的にこれのために作ったので、テンションが落ちるところです)。
初版では画像処理にGPUImage.frameworkを同梱して利用していましたが、GPUImage1だとOpenGL経由でGPUの機能にアクセスしており、OpenGL自体が最新のmacOS 10.15では非推奨となっており、Mac App Storeでリジェクトされる危険性があります(より新しい代替APIであるMetalを使わないと因縁を付けられる気が、、、)。
そこで、GPUImageに依存しているコードをすべて書き換え、GPUImageを完全に取り外しました。これには、よくよく調べたら、PDFの各ページをグレースケール画像に変換する箇所でしか利用していなかったことが大きいです。これで、名実ともに「すべてAppleScriptで記述したアプリケーション」に。
GPUImageの除去は使い勝手には一切影響しません。若干の前向きな機能追加も行なっておきましょう。
これまでに意見として寄せられていないものの、どうもグレースケール画像で比較を行うことに不満を持っていたユーザーが一定数いるものとにらんでいたので、カラーのまま比較する機能を追加しました。
正直なところ、「カラー比較モード」は個人的には不要と思っている(文字主体の書籍の校正用に作った)のですが、念のためです。
Double PDFはデータ上のささいな違いを「見逃す」ように作ってあります。これは、Adobe AcrobatのPDF比較機能が、見た目には影響を及ぼさないデータ上の些細な違いばかりピックアップして実用性がまったくないことから思いついたものです。見た目に影響のない差異を見逃して、見た目や文字で差が発生している箇所を指摘するツールという味付けになっています。
画像サイズを小さくした上でグレースケール化して比較するのはそのための重要な機能です。ただ、間違って色が変わったことを検出したいような用途もあることでしょう。
あとは、PDFからテキスト抽出をしたときに、PDF書き出し時の環境(OSバージョン)によってはNo Width Spaceが検出されるものがあるため、No Width Spaceの削除機能を追加しました。
細かい箇所でまだ不具合点(右側のビューワーのノンブルが表示されないことがある)がありますが、とりあえず出してみてもよさそうな気配はしています。
地味なところで画像素材をDark Mode対応させました。Credits.rtfのダークモード対応など、地味に工数が増えるのは勘弁してほしいです。あとは、外部アプリケーション操作要求を行うためのInfo.plistのエントリ追加などもあります。これを追加しないと外部アプリケーションへの操作要求のダイアログ自体が出ない=一切操作できないので要注意点です。
ほかにも、現行のXcodeでCocoa AppleScriptアプリケーションのプロジェクトを作ると、デフォルトではソースコード開示状態のビルドセッティングになってしまうので、これも要チェック点でしょう。まさかと思ってこの設定を再確認してみたら、execute onlyになっていませんでした。怖すぎ、、、