Shane StanleyからmacOS 10.15上でBridgePlusなど、ShaneのScript Librariesを使えるようにする手順を教えてもらいました。内容を実際に検証しつつ、以下に解説します。
Shane StanleyのAppleScript Libraries「BridgePlus」「Myriad Tables Lib」などは、有用な機能をScripterに提供する、たいへん有用なライブラリです。高機能なライブラリを実現するための肝は、ライブラリに同梱されたFrameworkの存在です。
macOS 10.14の状況
ところが、macOS 10.14でSIPが強化されてホームディレクトリ下のFrameworkをスクリプトエディタが認識しないようになりました。Script Debugger上では問題なくホームディレクトリ以下のFrameworkを認識してプログラミング&実行を行うことができました。
スクリプトエディタ上でも、これらBridgePlusなどのFrameworkを含むライブラリをuseコマンドで利用指定し、そのまま実行はできないものの、アプレット書き出しすればバンドルしたFrameworkを呼び出して実行することはできていました。
macOS 10.15の状況
macOS 10.15ではさらにセキュリティの機能が強化されて、デフォルトの状態ではScript Debuggerを用いても、BridgePlusやMyriad Tables Lib内蔵のFrameworkの実行(オープン)自体がOSに阻害されるようになりました(やりすぎじゃないの?)。
結論からいえば、macOS 10.15ではスクリプトエディタを利用しているだけではBridgePlusやMyriad Tables Libを利用できなくなりました。これらのツールを利用したい場合にはScript Debuggerの利用が必須という状況です。
もともと、OS標準装備のスクリプトエディタではCocoaオブジェクトのログ表示などは一切できないので、Cocoa Scriptingを行う=Script Debuggerの利用が必須であるため、無理もない状況です。
どうしてもmacOS 10.15上でOS標準装備のスクリプトエディタでBridgePlusやMyriad Tables Libの機能を利用したいという場合には、お使いのMacのSIPを無効化してください(10.14、10.15上で実際にできることを確認しました)。
macOS 10.15通常環境(SIP有効)でBridgePlusを利用する手順
以上の状況をふまえたうえで、macOS 10.15のSIPを無効化していない通常の環境で、BridgePlusなどのFramework同梱のAppleScript Librariesを利用できるようにするまでの手順を示します。
step 1. ライブラリをWeb上からダウンロード
step 2. ライブラリをインストール(~/Library/Script Libraries/ にコピー)
step 3. ライブラリを呼び出しているScriptをScript Debuggerでオープン
→ Download sample script calling BridgePlus
step 4. (開発元を検証できないためオープンできない旨、ダイアログ表示される)
step 5. システム環境設定の「セキュリティとプライバシー」>「一般」で「このまま開く」をクリック
step 6. Script DebuggerでBridgePlusのオープンダイアログが表示されるので、「View Dictionary」ボタンをクリック(ここ重要!!)
step 7. Script DebuggerでBridgePlusを呼び出しているScriptをオープン
あとは、BridgePlusを利用しているScriptのScript Debugger上でのコンパイル(構文確認)や実行を問題なく行えます。Myriad Tables Libなども同様です。