電子書籍の新刊を発売しました。「AppleScript基礎テクニック集」の第20巻、「コンパイル(構文確認)」です。PDF 32ページ。
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スクリプトエディタのウィンドウに、思わせぶりに配置されている「コンパイル」コマンドのボタン。
この「コンパイル」というのは、世間一般的には、プログラム言語を実行コードに変換する作業です。SwiftやObjective-Cなどの言語で「コンパイル」といったら普通は実行コードへの変換です。
しかし、スクリプト言語で、かつインタプリタ(逐次実行)型言語であるAppleScriptにおいて、その意味は少し異なっています。AppleScriptのコンパイルとは、構文確認+中間コードへの変換です。
また、AppleScriptの実行処理系が演算の優先順位の指定を必要とした場合には、どこか適当な(正確ではなくあてずっぽうという意味で)場所にカッコを補います。
コンパイル時の構文チェックは、AppleScriptの最低限のお約束的な文法チェックだけなので、対象のアプリケーションのオブジェクト階層や、コマンドを実行する対象のオブジェクトが正しいか、といった厳密なチェックは行われません。実行して確認する必要があります。コンパイル(構文確認)の挙動は独特で、誰もが知っておくべき内容です。
目次
■コンパイル(構文確認)とは?
AppleScriptのコンパイル(構文確認)とは?
最低限の構文チェック
ライブラリ、Frameworkのチェック
OS(AppleScript)互換性チェック
実行環境チェック
中間コードへの置き換え
構文色分け設定にもとづいて書式適用
■コンパイル(構文確認)で行われる入力内容補完
コンパイル(構文確認)時に大/小文字を書き換え
空白文字,インデント文字の置き換え
if, tell, repeatなどのブロックの入力補完
特殊記号の置き換え
パラメータのboolean表記を置き換え
列挙パターン表記の置き換え ほか
■コンパイル(構文確認)で行われる演算優先順位を示すカッコの補足
演算優先順位を示すカッコを補う①
演算優先順位を示すカッコを補う②
■コンパイル(構文確認)で行われる正しいアプリケーション名への置き換え
実行環境にアプリケーションが存在しない場合
バンドルIDが同じで名称変更になった場合