コンピュータのインタラクション・デザインを研究・実践してきたコンピュータ科学者のラリー・テスラー氏が亡くなりました。Xerox PARCやAppleをはじめ、名だたるIT企業を勤めてきました。
1980年にテスラーはPARCからAppleに移り、1989年、ATG(Apple Technology Group)でMac OSのユーザー向けスクリプティング言語を開発する「Family Farm」プロジェクトを開始。これがのちのAppleScriptになりました。
コピー&ペーストをはじめ、彼の活躍や着想なしに現在のパーソナルコンピュータの姿はありえなかったことでしょう。
彼の冥福をお祈りいたします。
■AppleScript登場前の歴史(書籍「AppleScript 10大最新技術」より引用)
時期 | 内容 |
---|---|
1989年 | ATG(Apple Technology Group)で、Mac OSのユーザー向けスクリプティング言語を開発する「Family Farm」プロジェクトが始まる。ラリー・テスラーがリーダー。メンバーはMike Farr、Mitchell Gass、Mike Gough、Jed Harris、Al Hoffman、Ruben Kleiman、Edmund Lai、Frank Ludolph |
1990年 | HyperCard 2.0が出荷される |
1990年中盤 | Family Farmプロジェクトの最初のスピンオフプロジェクトとして、スクリプト言語の基盤となるAppleEventの開発が始まる |
1991年4月 | ウィリアム・クック、Appleで働きはじめる。AppleEvent Managerの最終β段階 |
1991年夏 | 発売予定のSystem 7にAppleEvent Managerを一緒に出荷すべく計画される |
1991年中旬 | LispやSmallTalkなどの既存の言語のランタイム上にAppleScriptシステムを構築することが検討される |
1992年 | AppleScript対応のHyperCard 2.2がリリース |
1992年2月 | ウィリアム・クック、Kurt PiersolからAppleScriptに関するアイデアを聞く。AppleScriptのα版がリリースされる。Dave Winer(SOAPとかBlogの仕組みを開発した人)がUserland Frontierの初期バージョンをリリース |
1993年4月 | AppleScript 1.0Developer's Toolkitをリリース |
1993年1月 | AppleScript 1.1の次バージョンにさらなる機能追加を行うことをAppleが決定 |
1993年9月 | AppleScript 1.1がリリース。はじめてのエンドユーザー向けのリリース。AppleScriptのオリジナル開発グループが解体される。ウィリアム・クックがAppleを辞める(1993年内の時期不明) |
1994年 | FaceSpanがリリースされる |
1997年 | ScriptableなFinderがリリースされる |
1997年7月 | System 8と一緒にAppleScript 1.1.2がリリースされる |
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