macOS 10.14のスクリプトエディタのAppleScript用語辞書(sdef)から「execute」コマンドが除去されていることに気づきました。
このことは、別に「GUI側からスクリプトエディタ上のAppleScriptを実行できなくなった」ということではありません。
スクリプトエディタ自体もAppleScriptからコントロールできる「スクリプタブルな」アプリケーションであり、macOS 10.14以降ではAppleScriptからスクリプトエディタをコントロールしてAppleScriptを実行させることができなくなった、ということです。
セキュリティ向上のためにexecuteコマンドを削除したように見えますが、そういうことをやったならRelease Notesに明記しておいてほしいものです。
Piyomaru Context menu AssistantのmacOS 10.13版を10.14上で動作確認していたら、動かなくなっているものがあって(クラッシュするものも出てきております)、原因を確認していたら一部の予約語が、
with timeout of 36000 seconds --1時間のタイムアウト «event sedsexec» end timeout
のように文字化け。これによって「execute」(Script実行)の予約語が抹消されたことがわかりました。スクリプトエディタ自体をコントロールしてScriptを実行させるケースは少ないので、世界中でも私ぐらいしか影響はないことでしょう。ちなみに、サードパーティのAppleScript統合開発環境であるScript Debuggerにはexecuteコマンドがあります。
別にスクリプトエディタでAppleScript書類をオープンして実行するような迂遠かつマニアックかつ「もっと簡単な手段があるのにわざわざそんなことしなくても」というアクションを好き好んで行う人はほとんどいないでしょう。全人類のうち、私以外にダメージはないことでしょう。
実際にスクリプトエディタにexecuteコマンドを送って実行していた例というのは、実行時間の計測を行うAppleScriptです。地味にそういうのを使っていました(最近は、Shane StanleyのScript Geekで処理時間を計測するパターンが多いので使っていませんでしたが)。
▲macOS 10.13.6
▲macOS 10.13.6
▲macOS 10.14.6
▲macOS 10.14.6
▲macOS 10.15.2
▲macOS 10.15.2