Piyomaru Script Assistantの最新状況をまとめておきました。
前提となる話
スクリプトエディタのコンテクストメニューから呼び出す入力補助スクリプト群は「スクリプトアシスタント」と呼ばれています。
Mac OS X 10.4の時代からこの「スクリプトアシスタント」が存在しており、簡単なスニペット入力のための機能がAppleから提供されてきました。
Apple純正のスクリプトアシスタントについては「帯に短し、たすきに長し」(翻訳できるのか、この日本語の慣用句表現)といったところであり、「これ、もうちょっとなんとかなんねえの?」というものでもありました。
そして時は流れ、「スクリプトアシスタント」はそのままの内容で提供し続けられていたため、すっかり内容が陳腐化。仕組みはいいのにOS標準添付されているScriptが使いものにならないという状態が続いていました。
Piyomaru Softwareでは自分がScriptを書くために、サポート範囲を広げた自家用版のスクリプトアシスタントを作って利用してきました。Mac OS X 10.4の時代からこうしたものが存在していました。これは、書籍「AppleScriptリファレンス」を持ち歩かなくても、多くの構文要素を入力できるようにする、というところに目標を設定していました。
さらに、OS X 10.10以降でCocoa Scriptingがすべての実行環境でサポートされるようになると、Cocoa Scriptingの利用を前提としたスクリプトアシスタントの必要性が高まり、Piyomaru Softwareでは電子書籍の付録として「Piyomaru Script Assistant」を作成しました。
ライブラリのうち動かないものが出てきた
そして、Piyomaru Script Assistant自体も毎年のOSアップデートを経て、部分的に動かないものが出てきました。
主に、Piyomaru Script Assistantに含んでいる、「Piyomaru Softwareが提供しているAppleScriptライブラリを呼び出すScript」の中で動かないものが出てきた、という状況です。
(1)Google検索ライブラリ
これは、作りたての頃は非常に役立つものでしたが、Googleが提供する検索結果画面のHTMLをXML的に解釈して結果を取得するという作りであったために、時間の経過とともに「動かなくなる」ことが確実視されていたものでもあります。
CotEditor用のPowerPackでも実装レベルを後退させており、AppleScript単独でGoogle検索を行うようなものではなく、Safari経由で検索結果を表示するというものを提供しています。
(2)ファイルのドラッグ&ドロップを受け付けるライブラリ
Appleがドラッグ&ドロップ系の機能を縮小するのでは? ということから企画したライブラリであり、有用性については疑いようもないのですが、macOS 11あたりでUI仕様が大幅に変更になったことにより、動かなくなっています。
ちょっとコードの規模が大きいのと、99%自分が作ったものではないので、これはメンテナンスし切れない感じです。オープンソース化して様子を見るというのが「考えられる対応」でしょうか。
(3)display youtubeライブラリ
macOS 12上で動かなくなっていました。理由は判明していて、改修版をBlogにアップロードしてあります。
スクリプトエディタ自体のバグ
macOS 12で発生、継続しているバグが、「ファイル名に絵文字を使っているScriptをScript Assistantの仕組みを使ってコンテクストメニュー表示させると、ファイル名/フォルダ名が重複して表示される」というものです。
一度「これで治ったか?」という確認が来ましたが、解消されていません。
新刊「AppleScript基礎テクニック集⑯スクリプトエディタの使い方」の付録として、若干のアップデートを行なった「Piyomaru Script Assistant v2.1」を添付しており、上記の問題が確認されているScriptを削除しています。