かつて、破損JPEG画像はアプリケーションのクラッシュを引き起こすケースもあり、Mac OS Xでもなかなか細心の注意をはらって事前のチェックを行なっていました(Mac OS X 10.4のころ)。
AppleScriptによるバッチ処理では、大量のデータを相手にします。そのため、途中でエラーを発生させるようなイレギュラーなデータにはエラートラップを仕掛けてあらかじめ対処しておきますが、クラッシュを引き起こすような破損データについては事前に手の施しようがありません。
# 破損画像によるクラッシュが発生して処理が停止するトラブルに直面したときには、入稿データの添付画像の破損チェックを自動で行うようにして対処しました。そもそも破損していては話にならないので
この破損画像が引き起こすクラッシュは(iOSの方で)クラッカーからの格好の標的にされたため(初期の「脱獄」の手口がこの破損画像にともなうクラッシュ→実行権限乗っ取りでした)、対策がすすみ、iOSと共通基盤を持っているMac OS Xでも同様の対策が行われたためか、Mac OS X→OS X→macOSと呼称が変わるにつれて徐々にクラッシュしないように強化されてきた機能でもあります。
今日、破損画像にそれほど神経質にならなくても済むようになっていますが、古いOSを使い続けている環境がないわけではありません。そうした環境においては、画像処理前の破損画像のチェックは重要な処理であり続けることでしょう。
また、巨大な画像データを遅い回線/サーバー経由でダウンロードして処理する場合には、「念のため」チェックを行なっておくべきかもしれません。
本ScriptのようにJPEGマーカーの有無をチェックするのは、破損画像検出の手口としては入門レベルであり、画像処理を行うプログラムで実際に読み込み+表示+書き出しを行わせるぐらいの処理をしておく必要があります(読み込めて表示できても、書き出しができない破損画像にも遭遇しました)。
実際にさまざまな現場で集めた「破損画像」は、大切に自分の手元に集めてあります。
AppleScript名:JPEG画像の破損チェック |
— Created 2006-10-17 by Somebody — Modified 2015-10-06 by Takaaki Naganoya set aFile to choose file of type {"public.jpeg"} set dRes to VerifyCompleteJPEG(aFile) of me — to verify whether a JPEG is a111 full or partial (e.g. partially downloaded) JPEG — last two JPEG file bytes must be (ASCII character 255) & (ASCII character 217) on VerifyCompleteJPEG(f) try set s to read f from -2 for 2 on error return false –error "JPEG image is too short or currupted" end try if s = (ASCII character 255) & (ASCII character 217) then return true else return false end if end VerifyCompleteJPEG |