アラートダイアログにcheckboxを表示して、項目選択するAppleScriptにsdef(AppleScript用語辞書)をつけてみました。
内容は、先日書いた「アラートダイアログ上にcheckboxを表示 v2」そのものです。この手のScriptは、機能の割に行数が多くて、そんなに難しくない(単にCocoaの仕様にもとづいて書いているだけ)んですが、コード量が多いことで難しそうに見えてしまうとしたら残念です。sdefをつけて英語っぽい記法で簡潔に呼び出せると有用性がどのぐらい増すのか実験してみました。
–> Download checkboxLib.scptd(with sdef)
Step 1:普通に動作するAppleScriptをバンドル形式で保存
アラートダイアログ上にcheckboxを表示 v2が動作しているのを確認します。また、フラットな(バンドルではない)AppleScript(拡張子:.scpt)の場合には、バンドルScript(拡張子:.scptd)に変換します。
また、この際にバンドルIDをきっちり設定しましょう。
Step 2:sdefファイルを作成する
テキストエディタでsdefファイルを書いてみましょう。他のAppleScript対応アプリケーションのsdefファイルを参考にします。構文色分け機能のあるテキストエディタの場合(CotEditorなど)、XMLを指定しておくと色分けされるので間違いが少なくなることでしょう。
こんな感じに書いてみました。コマンド1つに、パラメータが4つ。sdefファイルを書いて、AppleScriptバンドル内(/Contents/Resources フォルダ)にコピーし、スクリプトエディタ上やScript Debugger上でsdefの名称(拡張子は省略)を「スクリプティング定義」の欄に記載します(textを「(text)」と書いていますが、「text」と書くのが正しいので念のため)。
このような変更を行った場合には、保存してスクリプトエディタ/Script Debuggerをいったん終了させると間違いがなくていい感じです。
Step 3:sdefに記述した予約語でハンドラを記述する
sdefファイルに記載した予約語がAppleScriptライブラリ内ですぐに使用できるようになります。ただし、呼び出し部分にだけ使うようにしないと、メンテナンス性が下がりまくる(作者以外誰も読めなくなる)ので注意が必要です。ライブラリ本体の機能をライブラリのsdefで定義した予約語を使いまくって、作者以外誰もメンテナンスできない状態になっているライブラリの実例がこちらで確認できます(applescript-stdlib)。
これで、sdefに記載した予約語を使ってScriptを呼び出せるようになりました。エラーになるようなら、いったんスクリプトエディタ/Script Debuggerを終了させるとよいでしょう(sdefが不完全な場合もありますが)。
— Created 2019-08-12 by Takaaki Naganoya
— 2019 Piyomaru Software
use AppleScript version "2.5"
use scripting additions
use checkLib : script "checkboxLib"
set tList to {"にんじん", "ごぼう", "だいこん", "りんご", "キャベツ", "レタス", "じゃがいも", "にんじん", "小松菜", "青梗菜", "しいたけ", "舞茸"}
set cRes to choose checkbox main message "項目選択" sub message "適切なものを以下からえらんでください" with columns 2 with titles tList
★Click Here to Open This Script
Step 4:パラメータ省略時に対応できるようにハンドラを書き換え
ただ、これだけだと「毎回パラメータをすべて指定しないと動かない」という間抜けライブラリになってしまいます。
そこで、パラメータの型宣言+省略時パラメータの指定を行えば省略に対応できます。パラメータ指定部はすべて省略指定に対応できるように書いておきましょう。
こんなところでしょうか。パラメータのうち必須でないものの省略を許容するためには、sdefでoptionalの指定を行うことも必要です。
この手の「1回書いたらあんまり書き換えないし、使い回しするにはコード量が多くてめんどくさい」処理については、sdefをつけたライブラリにしておくといいのかもしれません。全部が全部、すべてそういう形式にするわけにもいきませんが、自分で予約語を拡張できるようになっているので、使ってみるとよいでしょう。
この段階になって、ライブラリ>Script Library(~/Library/Script Libraries)フォルダに入れてスクリプトの書き換えなどを行っていると、前回書き換えた内容が再オープン時に反映されないといった現象が発生することがあります。書き換えた、保存したはずなのに元に戻っているというのは、ライブラリのキャッシュを別途行っているためということだと理解しました。
なので、ライブラリの書き換えを行うさいには、テキスト形式などで別途ソースを保存しておくことを強くおすすめします。ここだけ、怪奇現象っぽい挙動に直面するところですが、焦らず慌てず作業すれば「単なる作業」なので、難しくありません。
AppleScript名:check box sample 2 |
— Created 2019-08-12 by Takaaki Naganoya — 2019 Piyomaru Software use AppleScript version "2.5" use scripting additions use checkLib : script "checkboxLib" set tList to {"にんじん", "ごぼう", "だいこん", "りんご", "キャベツ", "レタス", "じゃがいも", "にんじん", "小松菜", "青梗菜", "しいたけ", "舞茸"} set cRes to choose checkbox main message "項目選択" sub message "適切なものを以下からえらんでください" with columns 2 with titles tList set cRes to choose checkbox main message "項目選択" sub message "適切なものを以下からえらんでください" with titles tList set cRes to choose checkbox main message "項目選択" with titles tList set cRes to choose checkbox with titles tList set cRes to choose checkbox |