AppleScriptを使ったことのない人が、AppleScriptを使うときに、どのような考え方で問題を解決したらよいでしょうか?
(1)特定のアプリ上でのデータの作成/取得
AppleScriptの一番やりやすい作業は、アプリケーションの書類を大量に作成/チェックするというものです。
書類をともなうアプリで、AppleScriptに対応しているものは、AppleScriptによる書類作成やチェックの自動化が行える可能性が高いと考えてよいでしょう。
Word、Excel、PowerPoint、Pages、Numbers、Keynoteなどのオフィスアプリ。
InDesign、Illustrator、Photoshopといったクリエイティブ系のアプリ。
そうしたアプリを中心に作業を自動化したい、という話はとても「やりようがある」と考えます。難易度が低いわけではありませんが、何か困っていて解決したいことがある場合には、解決できる可能性が高い、ということです。
(2)Webブラウザやメーラーの操作
日常的に使う機会の多いWebブラウザやメーラーで行う作業をまとめて自動化することができます。
やや、難易度が高くなりますが……Webブラウザを操作して特定のWebサイトにログインして、データを取得し、ログアウトするという操作は実際にAppleScriptで行えるものの代表的なものです(Webサイト側の「作り方」によってうまく操作できないこともあります)。
メーラー関係の作業についても、大量のメールを、内容を変更しつつ送信するという作業はAppleScriptに適した作業です。ただし、日常的に利用しているメーラーが、Appleのメール.appである必要があります。他のメーラーではAppleScriptへの対応度が低いとかまったく対応していないケースがあるため、これ以外の選択肢がないといって差し支えないでしょう。
(3)AppleScriptだけでデータ処理
AppleScriptに特殊なデータを扱うような(他のGUIアプリのデータを、アプリなしで読み書きして操作するような)機能は用意されていません。
テキスト、画像、PDF、QuickTimeムービーといった一般的なデータであれば、AppleScriptだけで処理できる可能性は高いところです。とくに、PDFについてはmacOS 10.10以降でmacOSのAPI CocoaをAppleScriptから直接呼べるようになったために、ウォーターマークを追加する「以外」の操作であれば実際に処理できます。