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2018年2月20日 7:16 PM #2010Takaaki Naganoyaキーマスター
ホスティング会社「エックスサーバー」がMySQL4強制シャットダウン、およびデータベース内容の即時消去という強硬手段に出たことで、Blog「AppleScriptの穴」が全世界的にオフラインになり、復旧しつつはあるものの、多大なる手間と時間がかかりました。
今回のこの「エックスサーバー事変」について、まとめておきます。
2018年2月20日 8:00 PM #2011Takaaki Naganoyaキーマスター■経緯
エックスサーバーのWebホスティングサービスを利用して10年たちますが、トラブルが発生していない時の同社のサービスは快適です。価格も低廉であり、ただBlogを漫然と運営しているだけであれば不満は出ないでしょう。
エックスサーバーは、当初、WordPressの自動インストールなど(当時としては)画期的なサービスを提供することで、手軽に使えるWebホスティング業者として、他に類を見ない手軽なWebホスティングサービスを提供していました。
インストールの手間がかかる各種Web系のプログラムをWeb画面から手軽にインストールできるため、「コンテンツには興味があるがWebサーバーのお守りには興味がない」ユーザーに支持されました。
■MySQL4の問題
当初、WordPress ME(2.11相当)+MySQL 4で自動インストールサービスが提供されました。このWordPress MEでサービスが始まったことが遠因といえなくもないでしょう。いまでは、手軽にアップデートが行えるWordPressですが、その体勢になる「前」の混乱期のソフトウェアでもあり、エックスサーバーとしてもWordPress MEから現行のWordPressへの移行手段を「提供してこなかった」点が、そもそもの原因といえます。
■MySQL5への移行
古いバージョンであるMySQL4からMySQL5への移行はエックスサーバー側からお知らせが(数年前から)届いていました。同社が提供している管理画面ではPHPのバージョン変更なども行えるようになっているため、管理画面上からMySQL4→5への切り替えI/Fが提供されており、自分も移行期限の1年ぐらい前に切り替えたつもりになっていました。
管理画面上では「MySQL5を使っている」ことになっており、Terminalアクセスのための手続きも煩雑なため、Webブラウザで現状を確認するしかなかったのが実際のところです。
■問題を拡大したエックスサーバーのサポートの「コミュニケーション力のなさ」
以前から、エックスサーバーのサポートにメールで質問しても、トンチンカンな要領を得ない返答が返ってくることが多く「この程度のサービスなのだから、この程度のレベルの低いサポートしか抱えていないのだろう」という「価格相応」の(日本語が不自由な)サポートにも、半ばあきらめの気持ちで接していました。
問題が表面化したのは2018/1末のMySQL4強制シャットダウン強行時です。当時、自分は風邪をひいて寝ていたため、「寝て起きたらBlogが見えなくなっていた」という状況にただただ驚きました。
MySQL4のサーバーダウンについて、サポートに状況の説明を(メールで)求めたところ、
「これは以前から通告してきたことであり、撤回はない」
「データベースの内容は消去したため、内容のダンプなどは提供しない」の一点張り。
エックスサーバーから送られてきたメールをあらためて確認すると、シャットダウン直前に送られてきたメールにはご丁寧にMySQL 4サーバーに上がっているデータベースのテーブル名一覧なども入っていたのですが、
Subjectが普通のおしらせメールと変哲のないもの
だったので、内容はとくに読んでいませんでした。
MySQL4のデータベースを利用中のユーザーの方々に、といった注意を引くものではなく
[XSERVER インフォメーション] 【重要】「MySQL 4」データベース提供終了のお知らせ(再通知)
といった、重要なのはわかるんだけど自分が対象であることが「まったくわからない」ものでした。普通のお知らせフォーマットなので、さっぱりわからないんですね、これだと。
また、Webブラウザ上の管理コンソールではそうした警告表示が一切行われていないこともあいまって、
・現状がよくわからない
・どういったアクションを求められているかが不明
・サービスを提供してきたWordPress MEからの移行が行えるかどうかについては一切説明がないという、割と「これで分かれという方が無茶」な状態でありました。
そして、その状態で運命の2018年1月末を迎えてしまったのです。
■対応
10年書き溜めて、Googleの検索エンジンでもヒットしまくる「AppleScriptの穴」が、ほぼゼロから再スタートしなくてはならなくなりました。
とりあえずはWordPress最新版をインストールし、ローカルのAppleScript書類をHTML化してXML-RPC経由でWordPressに投入するAppleScriptなども作成し、大量の記事の一括投入が行えるように対処しました。
Blogについては、とくにこれで利益を生むようなものでもないので、「10年続けたけど、このままでいいのか?」などとさんざん仲間内で相談していたこともあり、心機一転できたことはプラスにとらえています。
ただ、「存在しないこと」のデメリットもすぐに見えてきたため、跡地にとりあえず最低限の「AppleScriptの穴」を再構築することにしました。
とはいえ、少なくない手間と時間がかかってしまったことも事実です。ユーザーの利益にならないアクションを、ユーザー側からすれば「たいした説明も現状表示もなく」唐突に行ったわけで、どこかのユーザーがエックスサーバーを訴えたとしても不思議ではないと思います。
ただ、この「エックスサーバー事変」からユーザー側もWebホスティング業者側も何かかしらの反省や教訓めいたものが得られないと、やっていられないものでもあります。成功から学べることはほとんどありませんが、失敗には明確な理由と原因があり、失敗から学ぶことだけは可能なのですから(ただし、学んだ内容が生かされるかどうかは別問題)。
■正直な気持ち
エックスサーバー側としては「説明はした」「以前から通知はしていた」というところなんでしょうけれど、まったく伝わっていないうえに、強行シャットダウンを行うという「もっとも賢くない選択」を行なってしまいました。当初のエックスサーバー側のサポート対応は実に強硬的で、腹立たしいことこの上ない(筆舌に尽くしがたい)状態でありました。
# のちに、手のひらを返したように当初の強硬対応を抑え、MySQL Adminのユーザーへの解放などの施策を打ち出してきました。ただ、当初の説明および対応が悪すぎて心象は最悪です。
つくづくエックスサーバーには愛想が尽きました。
ちょうどWordPress最新版への移行もできたので、海外のホスティング業者も含めて、移行しやすくなりました。今後、いろいろ検討してコストとサービスのバランスがもっとよくて、日本語でも英語でもなんでもいいので、「まともなサポート」を提供しているところがあれば、乗り換えたい気持ちでいっぱいです。
かつて、エックスサーバーのホスティングサービスについては、他人にもおすすめしていたこともありました。いま、他人にお勧めできるかと問われると微妙なところです。いえ、とてもおすすめできません。
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