目下、Tim Cook体制のもと「セキュリティ至上主義」が掲げられ、機能の有用性とセキュリティ(機能を制限、削除する)をてんびんにかけると、後者が重視されるようになっています。
そんな中、ドラッグ&ドロップの機能についてはいろいろ制約を受けたり、一部で使えなくなっていくのではないかという「懸念」を持っています。
実際、macOS 10.12以降、AppleScriptドロップレット(ファイルのドラッグ&ドロップを受信して動作するAppleScriptの実行プログラム)がOS側のセキュリティ機能による動作の影響(xattr)を受け、まっとうな処理方法では期待されるファイル処理ができなくなっています(回避策はあります)。
このため、macOS上でもFinder上でiOS並みのファイル操作、ドラッグ&ドロップでファイル/フォルダを移動させる程度の処理しか許可されず、アプリケーション側にまとめてファイルを渡すような処理ができなくなる「かも」しれません。
このドラッグ&ドロップによるファイルの一括指示の機能を維持するために、「display drop dialog Script Library」というライブラリをedama2氏との協力のもと(自分は要望を出したぐらいで作ったのはedama2氏)、配布しています。
アラートダイアログで指定のファイルタイプの書類のFinderからのドラッグ&ドロップを受け付けます。わざわざDropletを作らなくてもファイルのドラッグ&ドロップを受け付けるためには、こうしたインタフェースがないとまずいんじゃないか? という予測のもとに企画したものです。
目下、macOS 12.3でFinderに対してファイルのAppleScriptからオープン操作を行わせると、「creatorのアプリケーションは起動するもののファイルがオープンされない」という現象が発生しており(エラーダイアログが出る例があったり、出ない例があったり)、Apple社内でも整合性が取れていない状況のようです。
Appleとしては個別のテクノロジーについて発言したり、WWDCでも技術ではなくマーケティング的なセッションが増えて「見るべきものがない」状況になっていますが、こうした状況は好ましいものとは言えません。